ラック型の空間系エフェクターとしては定番の tc electronic から、コンパクトタイプのディレイが出ています。
コントロールは「Delay」「Feedback」「Effect Level」「Mode」で、モードは10種類 + Toneprint となっています。
この Toneprint というのがこのディレイの最大の特徴で、
音色設定データを USB または iPhoneアプリからインストールすることで、
様々なプリセットを使うことができるというものです。
設定データはディレイ本体だけでは作れない隠しパラメータを使って作られたもので、
Toneprint でしか作れないサウンドを扱えます。
残念ながら個人向けのエディターは現状存在しないので、
公式のプリセットから選んで使うしかなさそうです。
追記 : 自分で設定できるエディターが公開されました。詳細はこちらの記事をお読み下さい。
モードはデジタルディレイ、アナログディレイ、テープディレイなどのシミュレートや、ピンポンディレイ、リバースディレイなどが揃っています。
モードの充実ぶりは競合機種の BOSS DD-7 Digital Delay に優っています。
サウンドの品質面でも文句なしの出来栄えです。
タップテンポがない代わりに、オーディオタップ機能というのがあり、ギターで四分音符の音を短めに出すと、それがテンポとして反映されるという画期的な機能です。
スイッチを長押しでこのモードに入り、オーディオタップ中はミュートされます。
個人的にはこの機能よりも普通のタップテンポが欲しかったです。
そのほうが演奏中にずれてきたテンポを修正するのに便利だからです。
他に DD-7 との違いを挙げるとすれば、リバースディレイ時の FX LEVEL はミックス量ではなくボリュームに割り当てられている点です。
原音は排除され、エフェクト音が100パーセントになります。
これは好みの問題なので、自分に合う方を選ぶのがいいですが、
DD-7 のように原音とのミックス量を調整できたほうがいいように思います。
通常 Flashback はトゥルーバイパスで動作しますが、内部のスイッチでバッファーバイパスに切り替え出来ます。
バッファーバイパスにした場合はさらにキルドライのオン/オフも設定出来ます。この設定によってはペダルをオフにした際に不自然にディレイが途切れるのを回避出来ます。
環境によるのかもしれませんが、Flashback をオンにした時、エフェクトレベルがゼロであってもややボリュームが上がってしまうので、オフの時との落差が出てしまいます。
そのため私は常にバッファーバイパスモードにしています。この場合音量の差はほとんど気にならなくなります。
総評すると、一般的なディレイとしてのサウンドクオリティを追求するなら Flashback が最適で、複雑なパラメータ調整を必要とするなら BOSS DD-7 がおすすめです。