MXR から発売されているエフェクター用パワーサプライ M238 Iso-Brick は同社の DC Brick の上位機種で、各出力のアイソレーションと複数の電圧への対応が特徴です。
先日買った BOSS MS-3 にあわせて購入したのでレビューしてみようと思います。
Iso-Brick は全部で10個の出力端子があり、各出力は下記のように電圧と最大電流が決まっています。
- 9V(100mA) x2
- 9V(300mA) x2
- 9V(450mA) x2
- 18V(250mA) x2
- 6~15V(250mA) x2
一般的なアナログエフェクターであれば 100mA を使い、真空管内蔵のものや高機能なデジタルエフェクターに対しては 300mA や 450mA の端子を使います。12V で駆動するエフェクターの場合は電圧を調整できる端子が2つ備わっているのでそちらを利用します。
もちろん電流に余裕があり、電圧(V)があっているならどこに繋いでも問題ありません。
最大供給容量は 2,000mA なので一般的なエフェクトボードであればかなりの余裕が出ると思います。
保護回路が搭載されており、問題が発生したときには供給が遮断され、端子の LED が消灯するので発生源が特定しやすくなります。
大きさはほぼコンパクトエフェクター1個分で、見た目に反してかなり軽いです。本体はアルミ製で放熱も考慮されている思われるので本機の上にシールを張ったりエフェクターを設置するような使い方は避けたほうが良さそうです。
出力端子は正面にまとめられており、本体に給電するアダプターは背面の端につなぎます。接続口周辺は角がくぼんだ形になっているので奥の壁面にくっつけて配置しても使用できます。ケーブルの先はL字になっているので線は正面から見て左側に出てきます。
コネクタの差し込む位置が低くエフェクトボードの縁に干渉するため左側に少し余裕をもたせるか嵩上げする必要があります。ちなみに Diago の Pedal Riser がジャストサイズです。
付属のDCケーブルはかなり細く、中には最初から断線しているものもありました。他のケーブルも時間の問題でしょう。あくまでおまけと考えて他社製のしっかりしたものを用意することをおすすめします。なお、断線時もサプライ側端子の LED は点いたままだったのでDCケーブルの断線までは判定できないようです。グラウンドループ検出用なのだと思います。
各端子のアイソレーションによりデジタル、アナログが混在した状態でもノイズが起こりにくくなっています。実際そのような状態で使用していますが電源に起因するノイズはほとんど感じられませんでした。
6~15V の可変出力はそれぞれツマミで行うのですが飛び出しているので注意しないと知らないうちにツマミが回っていて過電圧となることもあり得ます。クリック感もないので目分量で合わせるか、テスターで測ることになります。せめて回りにくい工夫をするか奥まったディップスイッチにしてほしかったです。
総合的には機能の割にコンパクトで軽く使いやすいと思います。端子の数や容量も十分で一台あれば普通に使う上で全く不足はありません。アイソレーション付きで品質も良いのでパワーサプライのグレードアップには最適だと思います。